★二日目(3)★ ローテンブルク〜フュッセン




魔津藻 SIDE
TRIX SIDE
 バスの中では、ガイドさん持参のクラシックCDをかけながらゆく。有名クラシック曲がポップ風にアレンジされており、チャイコフスキーの「ピアノ協奏曲ロ短調」や、「エリーゼのために」がなかなかよかった。

 途中で、違う町に立ち寄ることになった。そこへ降り立つ(?)と、子どもが「コンニチハー」と日本語で話し掛けてくる。ふつう、外人はみな「コニチハ」となってしまうものだが、やはり子どもは発音が正確である。

 その町はあまりに見学時間が短かったためあまり印象に残っていない。名前さえわからない。とりあえず、ドイツらしいかわいらしい町ではあった。

パステルカラーの街

 そこから、バスでフュッセンに向かう。フュッセンへの道は遠い。サービスエリアに立ち寄って外に出れば、もう真っ暗である。

 相変わらずクラシックが優雅に流れるバスの中で、窓から外を見やると、雪がまだ溶けずに残っていて一面真っ白である。さらに窓から空を見上げれば、そこにはなんとも見事に輝くオリオン座が。
クラシックの名曲を聴きながら眺めたこの美しい風景を、魔津藻は忘れることができない。

 なんやかんやでホテルに到着。ホテルにいた猫ちゃんがまたラブリー。ガイドさんからカギを受け取って荷物を置いた後、ホテルのレストランで少し遅めの夕食をとる。

 大きなトマトスープに、おきまりの紅茶。サービス(?)でパンが三つもついてくる。かなりのボリュームだ。だがさらに、野菜補給のためサラダも頼んでしまう。5ユーロくらい。TRIXと分けるつもりであったのだが・・・・・・・

 愚かだった。値段で気づくべきであったのだ。そのサラダは、なんとも異様なバカデカさであった。4〜5人分くらいはあろうかという・・・。むろん、食いきれるよしもない。もったいねぇ…

 会計をしたいがなかなかきてくれない。ここでは会計はテーブルでするものなのだ。ようやくきてくれたが、「会計」ってどう言ったらいいんだ?TRIXが困っているうちに、魔津藻はガイドブックで覚えたての日常単語「Die Rechnung(会計)」とつぶやいてみた。通じたようだ。そのあと、会計は英語で「check」と言えばよいことを確認する。こーゆー英語って、意外にその場で思いつかないけど、大事ね。

 さあ、いよいよ疲労がたまってきた。次の日は今回の旅行のお目当てといってもいい、ノイシュヴァンシュタイン城であります。

 この日は寝るのもおそかったし(それでも11時くらいだが)、明日はどうなることか?
そんな思いを抱きつつ、床に入る魔津藻であった。
 

 フュッセンに行く道すがら、とある街に立ち寄った。
その街の名はニュルンベルグ。多分。違っていてもご愛嬌。1年以上前のことですから。

 その街並はなんとも可愛らしかった。どちらを見てもパステルカラーの建物が建ち並んでいるのだ。足元は年季を感じさせる石畳。こんな街が本当にあるなんて。やるな、ドイツ。

 そういえばニュルンベルグでの出来事だっただろうか。観光を終えてバスに向かう途中、暖かくなったため首から解いて手にぶら下げていたマフラーをうっかり地面に落としてしまったのは。草みたいなのがいっぱいくっついたっけなあ。それともローテンブルクだったか。どちらか一方なのは確実なんだけど・・・。

 ニュルンベルグ(多分)を出て、バスはさらにロマンチック街道を行く。乗車中は、ガイドさんがかけたBGMのクラシックに魔津藻どんが大うけだったり、星を見ながら世界平和について(だっけ?)語ったり。そんなこんなしながら揺られ揺られて数時間。フュッセンのホテルにつく頃には夜の帳が・・・いやいや、外は真っ暗になっていた。

 着いたホテルの周りにも大分雪が残っていた。ホテルの内装は、今回の旅で泊まった他の宿と比べて、何といおうか、あまり堅苦しくなく若者好きのするカジュアルな感じだった。外装は、暗かったしよく見ていない。よっこらよっこら階段を上り、フロント前でガイドさんから部屋の鍵を受け取って、部屋へ。部屋は例によってツインで、ベッドの反対側の壁に長椅子があった、気がする。

 荷物を置いて、とりあえず腹ごしらえ。ホテルの食堂に下りて、いざ注文。今日も旅の疲れで食欲がない魔津藻とTRIX。おのおの違うスープ(TRIXのは緑色のスープだったのでトマトスープではないだろう)を一皿ずつと、サラダを2人でひとつ、注文した。ささやかな食事になるはずだった。

 しかし。
 運ばれてきた料理は我らの予想を裏切るものだった。

 スープの容器はカップではなく例えるならどんぶり。どうも野菜をすりつぶしたものを煮込んだものであるようで、どろりとしておりスープとしては最上級の濃さだ。そしてサラダは立食パーティよろしく巨大な皿に豪勢に盛り付けてあった。

 あちゃ〜〜。空腹なときならば喜ぶべきところであるが、今回ばかりは苦笑するしかない。結局、スープは完食したものの、サラダは多少残してしまった。うう〜〜、もったいない。どっちもおいしかったんだけどな。

 会計を魔津藻どんの機転でどうにか切り抜け、部屋に戻って風呂に入り、ころりと就寝。だんだん疲れてきたかな。
〜三日目へつづく〜


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