ドラクエ論:Vの概念



※これは1998年に私が高校生のとき書いたもので、多少修正を加えてあります。原題は
「ドラクエ論第二弾・勇者ロトが語るドラクエVの概念」でした。なぜかですます調です。




 さて、今回のテーマは前回で言いそびれたドラクエスリーについてです。では早速、このスリーを、シックスやファイブと比較しながら説明することにしましょうか。

 まず、やはり最初に出てくるのが「テーマ」ということでしょう。前回(「XとYの比較」参照)もこの「テーマ」を中心に話を進めてきました。それでシックスのテーマはまぁ夢のことで、ファイブは主人公の人生ドラマ、ということでしたね。

 ではスリーは一体何でしょう?まずサブタイトルから考えてみましょう。スリーのサブタイトルは「そして伝説へ・・・」です。まあ主人公が勇者ロトとして伝説になり、後世まで語り継がれていく、ということなのですけれども・・・。だいたいテーマに即しているといっていいでしょう。実際主人公は勇ましい音楽と共に旅をし、前に立ちはだかる敵をなぎ倒し、そして魔王に立ち向かっていき、確かに伝説となっていきます。まあ、ドラクエワン、ツーがスリーのずっと後の話だと知っている人はよくわかることでしょう。ワンやツーでは勇者ロトの子孫が主人公なのです。

 し、か、し、です!スリーはシックスやファイブと比べて徹底的に違うところがあります。それは何か!?それはスリーは旅の目的が最初っから魔王を倒すことにある、っつーことだ!!シックスやファイブに比べてストーリーもくそもあったものではない!ほんとにストレートに魔王を倒すことが目的なのだ。(あれ、口調が変わってる!?)

 シックスやファイブは違ったでしょう。主人公が旅に出る理由は、魔王を倒すことではなかったはずです。シックスでは「幻の大地」の正体を明らかにするために村を出、ファイブでは父親になんとなくついて旅をしていたら、そこからどんどんいろいろな事件に巻き込まれていき、結果的に魔王であるデスタムーアだのミルドラースだのにつながってゆく、そういう流れだったはずです。それがスリーでは初っぱなから「打倒、バラモス!」……典型的なRPGというか、ストーリーの面白み、−ひねり−というのがないでしょう、スリーには。いまいちひとひねり足りないといったところです。ストーリー的にはね。ではスリーの楽しいところはどこか!?やはりここがドラクエ、こんなスリーにも、他では決して体験できない、スリー独特の面白みがあったのです。

 まづその一、今回はじめて登場の「すごろく」。あれは本当に面白くて旅の途中でもハマってしまいますね。さいを転がすときの緊張感、ステータスが上がったときの喜び、宝箱を通り過ぎてしまうときのもどかしさ。あれは、実際やったことがある人にしかわからない楽しさというものが、あると思います。

 その二、「自分だけのキャラクターが作れて」しまうこと。スリーではなななんと戦士やら僧侶やらに自分の好きな名前を付けられるのです!例えばトキオの好きな私だったら、そのパーティーをみんなトキオの名前にしてしまう−なーんてこともできるわけです。こうなったらもうウハウハですね(笑)。旅も楽しくなるというものです。パーティーを自由に組めるのもメリットの一つですかね。また、仲間をどんどん増やすことも可能ですから、ある程度自分らのレベルが上がったらレベル1の仲間を入れてみるとか、そういうこともできてしまうわけですね。

 これくらいでしょうか。あと、スリーは一番映像がきれいです(1998年現在)。まあこんなわけで、スリーもファイブやシックスに劣らず、楽しいといえましょう。一応、最新版なのでね…(あくまで1998年)。感動だって、ないわけじゃあないですよ。オルテガが死んじゃうところなんて、もう涙もんですよ。あと、エンディングもなんか勇ましく雄大でありながらどこか哀愁がただよっていて、感動的です。まあ、音楽のことについてはそのうち語る機会もあるでしょう。

 それでは、みなさんも今日から「勇者ロト」です!がんばってバラモスそしてゾーマを倒してきてくださいね☆

 

原文:1998.秋
修正:2003.7.29




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Last Revised 【7月】/【29日】/2003


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