ドラクエ論:XとYの比較



※これは1998年に私が高校生のとき書いたもので、多少修正を加えてあります。
原題は「ドラクエについて−About Dragon Quest−」でした。




 皆さんは、「ドラゴンクエスト」というゲームをどうやって楽しんでいるかな?まぁ、レベルアップを楽しんだり、音楽を吟味してみたり、人々との会話を楽しんだり、それにファイブ以降では賭け事やすごろく、などなど、たくさんあると思う。
でも、ドラクエを本当に堪能するには!?私はそれを特にシックスについて述べたい。何故かというと、「シックスはあまり面白くない」という声をよく耳にするからだ。果たしてそうか?いや、違う。シックスは一番の新作であり(1998年現在)、それだけにそれだけに最も完成度が高い作品だ。ではこれからそのシックスのすばらしさについて語ってゆくとしよう。

 まず、ファイブとシックスの違いがわかるだろうか。絵が違うとか、題が違うとか、そういうのはナシにして(笑)。私は、違っているのものは「テーマ」だと思うのだ。ファイブのサブタイトルが「天空の花嫁」で、シックスが「幻の大地」だ、って、それは当たり前だが、ファイブの「テーマ」、つまり、最も言いたいところは「天空の花嫁」だろうか?違うだろう。それだったら、結婚するところから始まって、子供が産まれて、それが実は伝説の勇者で、魔王を倒してバンザーイ!で終わり、だ。違う。あれは主人公の人生ドラマを描いているのだ。度重なる不幸や困難の中幾度もくじけそうになりながら(ホントか?)それでも仲間と助け合い目標に突き進んでいく。そして最後には無上の幸せを勝ち取る。といった感じだ。主人公の人生がつらく悲惨なものであっただけに、最後の幸せなエンディングが涙を誘う。これがファイブなのであり、ファイブの感動、なのである。しかし、その質はというと、実に単純でありがちな「よかったねぇ」的感動だ。ここが、シックスとファイブの一番の相違点だ。でもまぁ、音楽も非常にわかりやすく、感情移入もしやすい。まぁそういう点でファイブはシックスより親しみやすい、といえよう。私も音楽はファイブが一番好きである(1998年時点。今(2003年現在)ではセブンが不動の地位を確立している)。では次にシックスの説明をしていこう。

 さっき、ファイブのサブタイトルはテーマでないと言ったが、ではシックスの場合はどうだろう。シックスはこれがほぼテーマと合っている。では、シックスのテーマとはいったい何か?エンディングの中の某キャラのセリフでこんなのがある。

 「夢の世界はこの世のまぼろし・・・人間には見えることのない心の奥深くに存在する世界。けれど人々が夢を信じる心を忘れなければきっと・・天空を架ける城がみえることでしょう。」

 これが実はほぼシックスのテーマなのである。どういうことかと解釈すると、つまり夢は実際は見えないものだけれども、信じていれば見ることのできるものなのだよ、(心の眼で、てことかな)ということなのだ。「天空の城」とは夢の世界にあるゼニス城のことである。何だか、ファイブに比べるとずいぶん壮大ですごい奥の深いテーマだと思わないだろうか。夢のことについて述べてある。よく考えてみると、サブタイトルもテーマに準じているのだ。「幻」は見えない心の奥のもの、「大地」は実際見えるもの。う〜ん奥が深いなあ。こういうことをふまえてからあのエンディングを見ると、もうじぃぃ〜ん・・ときますよ。ファイブとは格段違った、深ぁ〜い感動が。あの「Eternal Lullaby−時の子守唄−」という曲もすごくいいのだ。もう、シックスのテーマをそのまま表してるって感じで。どうだろうか。少しはシックスの良さがわかってもらえただろうか。これでもわからないっていう人はちょっと心にロマンが足りない人である。何度でもやってみるのがよいだろう。きっと、そのうちわかってくるはずだ。だから一回くらいは消えたほうがいいのかもしれない(笑)。ところでファイブとシックス、似ているところもあるのだ。ファイブに「天空城」というのが出てくるが、あれ、なんとシックスに出てくるゼニス城にそっくりなのだ。ほんと、何から何まで。だから、ファイブでもシックスの言いたいことを少し、含んでいるのかもしれない。

 いままでいっぱいいろんなことを言ってきたが、ようするに「ドラクエはすばらしい!」っていうこと(笑)。話はもちろんのこと、音楽も。私はこのドラクエというすばらしい作品(ある意味オブジェ)を創りあげた堀井雄二とすぎやまこういち先生(本当はもっといるはずだが)に惜しみない拍手を贈りたいと思う。(みんなも贈ろうネ)

原文:1998.秋
修正:2003.7.24




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